電話ボックスで眠った日のコト
眠らずに一昼夜
170Kmという距離を自転車で走った日のことを
書き留めておきたい
170Kmを イメージしやすくいえば
大阪~名古屋
日本一周自転車旅の中で
一日の走行距離としてはいちばん長かった
北海道羽幌~札幌 170km
途中一泊すべき距離を 無謀だった
後悔することを チョクチョク
思い付きだけで やらかしてしまう私の欠点
宿泊所は おおよその目安を立てて
ユースとか 予約を入れておく場合もあったが
自転車旅の場合
その日の体調や天候などで進める距離も違ってしまうし
途中に何があるかもわからない
気ままな旅を優先したいので 通常予約はせずに
現地に近づいてから泊まるところを探すことが多かった
午前に羽幌を出て 順調に国道を南下したが
夕方から 天気が急変し雨が降り出した
ポンチョレインコートに身を包んでも
どんどんと強くなる風雨で
服も靴も グショグショになっていた
夜の国道は
肩スレスレにトラック軍団がスピードを上げて
恐怖さえ感じる
ジャマでしかない自転車を巻き込むかのような勢いで
道路の雨溜まりを 頭からかぶせてくる
まるでウェーブの中をくぐるサーファー気分
ファンタジーに生きる冒険者の醍醐味とばかりに
調子に乗っていた
気付けば夕刻を過ぎて
宿は見つからず
もう走り続けるしかないと 覚悟を決めた
雨に濡れた荷が ペダルを踏む足を 一層重くして
深夜零時を過ぎた頃から 疲労感と睡魔にも襲われ
なかなか先へ進まない ツライ感覚に支配されてしまった
夜の国道で足を止めるわけにはいかない
ペダルを踏み続けるしかなかった
顔はグチャグチャに 雨なのか涙なのか
自分でもわからなかった
自転車旅というのは 究極のミニマリストだ
リア両サイドバッグと シュラフと
フロントにも両サイドバッグと
あとハンドルに小さなバッグ
貴重品はウェストポーチに
最小限必要な着替えやら携行食品やら
総重量は自転車を含めると20Kgはあったと思う
今から思うと エラかった
裏磐梯ではその20Kgを 炎天下頂上まで
半日 ほぼ押して登り
下りは15分でふもとまで下りたという猛スピードで
小さな石ころにもバウンドして転びそうになったり
あっ
油断するとつい苦労話になってしまうww
話しを戻す
車のヘッドライトに浮かぶ闇の中を 何時間も
風と雨との 闘いだった
東の空がぼんやりと明るくなる頃には雨は止んでいて
札幌の市街地までは もう少しだった
気が付くと
電話ボックスの中で目が覚めた
どうしてそんなところで眠ってしまったのか
どれくらい眠っていたのか わからない
夜の闇から抜けたことで 一気に緊張がほぐれ
疲労の限界に抗えず
寝落ちしてしまったようだった
もし 自転車旅を計画している人がいたら
自分の体力と走行距離はチャント考えて
宿は早めにチェックすべし!
今 電話ボックスを見かけても
マサカ あの中で眠ったなんてww
半年間の自転車旅を終えて 家に帰った夜
布団のフワフワに 感謝の涙があふれたこと
もう すかっり忘れてしまってた
寝る場所があるって
すっっっごく 幸せなことなんだよね
ご訪問ありがとうございました
感謝☆