無知の知ノート

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怖かった宿(ひとり自転車旅~⑭)

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半年間ひとり旅の中でも 

あの夜のことは鮮明に記憶に残っている 

 

夕刻になって 走行距離はすでに100km近く 

計画も無くペダルを踏んでいた自分を 少し後悔していた 

 

シュラフは積んでいたけど 

できるだけ野宿は避けたかったから  

「○○○○旅館」の看板を見つけた時にはホッとした  

古びた旅館の薄暗い入り口は陰気な感じがしたけど とにかく眠れる場所が見つかった  

 

自転車から荷を下ろし 案内された部屋は 

従業員控え室?のような 

布団ひとつは敷ける という小さなスペース f:id:hentekomura:20200821132244p:plain
入り口は引き戸で 鍵が、、、こんなやつ

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絵ヘタだけど伝わります?

 

・・・こんな鍵!? 戸をガシャガシャとすれば外れそうな

もうこの時点でコワイのだけど 

 

疲れていて とにかく眠りたくて 

贅沢は言っていられなかった 

 

鍵が気になって

深夜 引き戸の方へ目をやった  

 

開いてる!引き戸が僅かに開いている! 

そして 目が!

隙間から コチラをじっと見ている目が!

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コチラから睨み返しても  

動じなく凝視してくる目に 背中がゾクッとした 

 

鍵は確かに引っかけたハズ、、、 

布団から出て確認する勇気はなく 

 

睨み合ったまま、、、

 

ぐっすり眠ってしまったようだ 

気付けば夜が明けていた 

 

f:id:hentekomura:20200821132441j:plain「 疲労は恐怖に勝つ ってことにゃのね」

 

朝 戸は閉まっていたけど鍵は外れていた  掛けたハズなのに、、、

 

 

旅館を出る時 女将さんが

「女性のひとり旅は心配なんですよ 自殺する人もいるので」

 

能面のような表情とその目!

覗いていたのは女将さんだった?!

 

 

何も聞けなかった 

 

あの睨み合った仕草は それはそれでコワイし 

掛けた鍵が外れて引き戸が開けられたことも  

それに もし「いいえ~」なんて言われたら アノ目は?ってなるし 

 

何も聞けないまま、、、

あの目を思い出すと 今でもゾクッとする

 

ーーーーーー

思い返せば

こんな所でよく眠れたよな~って 自分に驚く 

 

真っ暗な広い本堂の真ん中にひとりだったり

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一昼夜ペダルを踏み続けて 電話ボックスで眠ってしまったり 

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野宿の人も忘れられない

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例えば フツーのビジネスホテルでも 

女ひとり旅は油断禁物 

 

「従業員室で3人でゲームしてるからコッチ来て遊ばない?」

内線電話でしつこく誘われた 

 

誰が行くかよ!ひとり旅してるから寂しい?とか思うなよっ! ←心の中で叫んだ 

 

従業員教育ができてない、、、内側ロックしてイスも置いた  

 

ーーーーー

 

ウワサの幽霊トンネルで 霊?が背中に重く乗ってきたり 

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ウシガエルが一晩中鳴き続けて(当時ウシガエルの声と知らず)

気味悪くて眠れなかったり 

 

いろんな「コワイ」はあるけど

ある意味 人間がいちばん怖い、、、かも

 

 

 

ご訪問ありがとうございました 

感謝☆ 

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