人生相談されて 葛藤した件
意見を求められて 正直に答えることは
時に恨まれる 覚悟がいる
「見合い相手と会うの いっしょに行って欲しい」
頼まれた時は 驚いた
彼女は ダンスレッスンのメンバーさんのひとりで
親しい友人というわけではない
相手男性と結婚しても良いかどうか 見極めて欲しいと言う
・・・なんで私に? 既婚者だから安心?
「信頼できる人は 他に見当たらないから」
「ムリだよ 人生の大事な判断に関わるなんて」
何度も断ったけど 結局 付き合うことになって
某ホテルの高層階ラウンジでの ディナーに出掛けた
彼女の前の席に座る 見合い相手の男性 37歳 医師
私の前に座る男性 見合い相手の友人 医師
先方にも 友人同伴を提案したのは私だった
友人との会話から見える人柄もあるかと
食事をしながら 予想通りの会話展開
友人男性は 彼のことを 褒めちぎる
私はというと
張り切って 彼女を褒める必要はなかった
彼女は 綺麗で知的で 笑顔もカワイイ
相手男性が
すぐにでも結婚したいという目になっているのが分かった
帰り道
私は 葛藤した
感じたままを 正直に伝えるべきかどうか
いま29歳の彼女が
30までに結婚したいと思っていることを 知っている
ご両親が早く結婚させたがっていることも 彼女から聞いている
1度だけのディナーで分かるはずもないが 彼は温厚な人に見えた
世間的に言えば 医者なら 経済的に安定か
けど 答えはNO
私だったら 彼とは結婚しない
彼女に どう伝えるべきか 迷った
まず身の上話をした
生涯 流浪の旅人になることに憧れていた私は
結婚はしない 子供は持たないと
高校2年の時から 決めていた
そんな私が 23で結婚した
20歳の半年間 日本一周の自転車ひとり旅を終え
次の自由のために 資金作りに働いていた22歳の夏
彼(いま旦那さま)に出会った
グラフィックデザイナーの駆け出しで
安い給料で 通帳残高はゼロの彼
事故を起こした後で 車も持っていなくて
結婚するまでの10か月間のデートでは いつも私が車で送り迎えするのだった
「結婚は 直感!」 彼女に伝えた
彼女はと 聞くと
今回の見合い相手から 何ら直感を感じないと言う
後日
彼女の新たな見合いデートには
もう誘われることはなかった
医師との縁談を断った際
母親の私に対する怒りが かなりだったと 彼女から聞いた
「何の権利があって 縁談をぶち壊すのか」 と
・・・ごもっとも
2年経って
彼女から 絵葉書が届いた
「主人の転勤で いまオランダです」
休日にはふたりでアチコチ旅行しているという
幸せそうな ふたりの写真付き
彼女の肩を抱く優しそうな男性
ヨカッター^0^ー!!
・・・涙目