人に教えるという孤独
自分の中で“ 修行時代 ”と呼ぶ あの頃
苦しい・悔しい・辛い・・・そして
楽しいのは少しだけ って感じの毎日
アチコチのダンススタジオを ハシゴしていた
HIPHOP・HOUSE・LOCK・SOUL・JAZZ・AFRICAN・・・
イロイロなジャンルをかじった事は
オリジナリティーに拘りたい自分の基礎となり
どんな曲にでも 振付を考えられるという自負にもなったが
無茶とも言える 修行時代だった
90分レッスンを4本
深夜まで6時間 ぶっ続けで 受けていた
捻挫した日も
ビッコしながら 休むことなく
毎日踊っていた
大阪のスタジオから 深夜の帰り道
新御堂筋を飛ばして 自宅まで約1時間
ハンドルに乗せる腕さえだるく
足はブレーキを踏むのさえ 痛かった
無理して6時間踊っても 集中力は持続しないし
痛い足引きずって ちゃんと踊れるわけもない
それでもDANCE 上手くなりたい情熱は
誰にも負けないつもりでいた
そんな頃 友達の紹介で ダンサーNさんと出会った
JAZZ・HIPHOP・BREAK・SOUL なんでも踊れる女性
すでに仕事を持っているイントラばかり10人ほどで
スタジオ借りて 支払うレッスンフィーも出し合って
レッスンをお願いした
「イケてるダンサーに 自分たちを仕上げてほしい」
今から思えば
DANCEの基礎さえ出来ていなかった自分たちには
図々しいお願いだったかもしれない
Nさんの 真剣な根気ある指導は 時に
肉体的にも精神的にも ハードだった
彼女の恵まれた運動能力からみれば
指導を受ける私たちの動きは
たぶん イライラするものだったに違いなくて
「思いどおりに動く体に 早くなって!」
「どういうつもりで踊っているの?」
「ヤル気あるの?!」
「教える立場にある人たちなんでしょ 恥ずかしくないの?!」
「ダサいっ!」
傷つく言葉は 数知れず
言われて当然と思いつつも
レッスン中に泣き出し 凹んでいる仲間をみると
つい 反発を感じることもあった
・・・誰もがあんたみたいに優れた運動能力持っているわけじゃない!
それでも懸命にやっているのだから 少しは思いやりがあっても
だけど 言える相手じゃないし 立場じゃない
そんなレッスンの日々に
自分の中でも逃避願望は 幾度かあったけど
言い訳していたら それ以上先へは進めない
迷う時には 自分に渇を入れていた
泣くまえに踊れ!
2年ほど経ったある日 Nさんが言った
「自分は憎まれていい
憎んで 悔しいって思って 上手くなってくれたら いい」
そのセリフは ガッツーンと胸を刺した
そこまで孤独になって 人にモノを教えること
私にはできない
人のさまざまな事情にも 寛容であり
習得へのプロセスは 楽しいのがイチバン! なんて
思えば 自分への言い訳だった
時には私も 指導に夢中になりすぎて
・・・ウザイ と思われたこともあっただろう
それでも 出会えて良かったと
ひとりでも感じてくれた人がいるなら
それでいい。と
Nさんを思い出して 今は思える
ご訪問ありがとうございました
感謝☆