無知の知ノート

知りたいコト 調べたコト 体験したコト ... and so on

不審者を追跡したものの 

 

f:id:hentekomura:20170420143528j:plain

 

日曜日の昼下がり


庭先の歩道から 

会話する声が聞こえてきて 気になった 

 

貝塚伊吹の垣根の向こうに隠れて  
その人たちの姿は 見えないのだけど 

 

「どこまでいくの?」 

 

「あっちの角を右に行ってから~」 


声は 大人の男性と 低学年の男の子な感じ  

 

「家は近くなの」 

 

「うん アッチのアッチ」

 

・・・ん? ふたりは どういう関係? 

 

f:id:hentekomura:20170412004519j:plain

この町でも下校時には   
自治会パトロールの車が アナウンスして走る 

聞き慣れて 

もう覚えてしまったアナウンスが 頭に流れる 

 

「安全パトロールを実施しています 
全国で子供を狙った犯罪が多発しています 
小学生の皆さんにお願いです
知らない人についていかないようにしましょう
もし連れて行かれそうになったら 
防犯ブザーを鳴らすか 
近くの大人に助けを求めましょう」  

 


・・・ハッ もしや不審者!? 


急いで玄関の外に出て ふたりの様子を窺った 

 

 

 

男の子の手にはリード 
犬の散歩中のようだ 

 

「どっちへ行く?」 

 

「アッチ」 

 

「いいよ じゃ付いて行くから」 

 

ふたりと1匹は やや上り坂の 西方向へ歩き出した 

 


・・・どうしよう もし不審者だったら 
   男の子を守らなきゃ 


使命感に燃えて 緊急 子供見守り隊員となって 
後をつけることにした 

 

 

f:id:hentekomura:20170412004948j:plain

急いで玄関に鍵をして 

見失わないよう追いかけた 

 

つけていることをバレないよう 

少し間隔を取りながら 


西方向から北方向へ 

そして また西へ どんどん歩く 

 

30代くらいで 服装は上下グリーン色のその男は 

子供と犬が行く方向へと 付いて歩く 


・・・怪しい 怪しすぎる どうしよう 

 

ドキドキしながら 10分は歩いたと思う 

 

 

突然 立ち止まった男に 気付かれた 

 

「何か?」 

 

「あっ イイエ ネコ 猫を見ませんでした?」 

 

咄嗟の嘘が ヘタ過ぎて 自分にガッカリする  

 

 

「いいえ 見ませんが」 しっかりと答える男の声が 怖い 

 

「そうですか」 と言いながら 

めげずに 同じ方向へと歩く 

 

ポケットには 家の鍵だけ 

iPhoneもお金も持たずに 出て来てしまった 

 

たとえ持っていたとしても 

この状況で使えるだろうか 

 

まわりに人は いない 

万が一の時 

この子を守れるのは いま私だけなんだ 

 

 


パラパラと 雨が降り出して   

走り出す男の子と犬の後を 男も走る 私も走る 

 

 

 

男の子が 足を止めた 

 

「ありがとう」 

 

男の子が礼を言って 男にリードを渡し  
道路向かいの家へと入っていった 

 

???

 

 

「おかあさ~ん 犬 持たせてもらったぁ」 

 

嬉しそうに叫ぶ男の子の声が 聞こえた 

 

・・・ん? 犬の散歩中だった男性!? 

 

犬を持たせてと 
見知らぬ男の子から頼まれて 

付いて歩いていた!? 

 

エーッ いい人やん♡ 

 


男性と目が合って 

恥ずかしくて 走って逃げた 

 

 

 

不審者は 

 


私だった  

 

 

 

 

 ご訪問ありがとうございました 

感謝☆