無知の知ノート

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近所のおじいさんと おばあさんのこと

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80代にみえる そのご夫婦は  

ウチの前をよく通りかかる 

どうやら 散歩コースになっている様子 

  

「コンニチワ」と会釈する程度だったが 

ある日曜日  

 

「そんな抜き方じゃぁダメだっ!」

 

「やめてくださいよ! それは ワザと残していて」 

 

外から声が聞こえて来て ナニゴト!?と表に出ると 

 

うちの家の外回り10mほどの雑草を 

ザクザクと抜きまくる おじいさんの姿  

 

おじいさんが抜いているのは  

 

うちの旦那さまが 丁寧に間引きして残しておいた 

小さなカワイイ黄色い花を付けた雑草たち  

 

「やめてくださいよ それは ワザと残していて」

 

何度言っても 聞く耳をもたない 

おじいさんは善意のつもりで 雑草抜きをしてくださったのだ 

 

アキラメルしかなかった 

けど 

無残に引っこ抜かれた黄色い花たちを掃除しながら 

私も旦那さまも そのおじいさんが 嫌いになった 

 

その後も 

通りかかるたびに からかうようなことを言ってくる 

 

庭の樹に登って枝切をしていた時も 

「樹に登ってオテンバかっ 男かと思った」とか 

「ケガする前に 早く降りなさい!」とか  

 

そんな時 いつもおじいさんの後ろから 

「ごめんなさいね」 と 

おばあさんが申し訳なさそうに微笑むのだった

 

おばあさんの優しい笑顔があったから 

いつも笑顔を返すしかなかった 

 

まるで イジワルじいさんと優しいおばあさん 

日本昔話に出てきそうな 

 

おじいさんの天真爛漫な言動は 

優しいおばあさんへの甘えのようにもみえる 

 

いいご夫婦なんだろうな 

いつもおふたりで散歩して 

まぁ 微笑ましくもある  

 

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そんなおふたりの姿が プッツリと見えなくなって 

気になって仕方がなかった  

いつもウチの前を通る散歩コースが変わってしまったのか? 

 

 

2か月ほど過ぎて 

「コンニチワ」と声がして振り向くと 

あの優しい笑顔のおばあさんだった 

おじいさんの姿は無い 

 

「お久しぶりです♪ きょうは ご主人は?」

 

「亡くなりました」

 

「えっ! お元気だったのに、、、」

 

・・・こんな時 

常識では「ご愁傷様です」とか言えなきゃダメなんだよね 

 

 

「いつも相手してくださって ありがとうございました」 

 

聞けば 

散歩途中にからかったりすることは 

おじいさんにとって 楽しいコトだったらしい 

 

もっとからかわれたら よかった 

変な言い方だけど 

もっと 楽しく からかわれるように 

出来れば よかった