無知の知ノート

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いじめのニュースが出る度に思い出す レイちゃんのこと 

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小学校5年と6年の2年間 同じクラスだったレイちゃんのこと 

書き留めておきたい 

 

レイちゃんの左腕は 肩からブランブランしていて 

いつも右手を添えていたり 

座る時は 右手で左腕を持ち上げて膝に乗せる動作をしていた  

 

何があって そうなったのかは 

子供だったし わからなかったのだけど 

 

今になって思えば 

親の事情が影響していたのかもしれないと推察する 

というのも 

レイちゃんの服装は毛玉だらけだったり 首回りがヨレヨレだったり 

髪も梳かしていないようなバサバサだったり 

 

肩も もしかしたら脱臼したまま放っておかれたとか? 

 

家庭の事情までは分からないけど 

苗字も2年間で2回変わった 

お母さんが 離婚して 再婚したというのは 

先生から聞いた気がする 

 

彼女は ほとんど口をきかない 

 

うつむいていることの多い彼女は 

クラスのみんなから「ユウレイ」と呼ばれて 

「キモチワルイ」とまで言われ 誰も寄り付こうとしないのだった 

 

だけど私は レイちゃんは強い子だと感じた 

 

もし自分が同じような境遇だとしたら 

どれほどの辛さだろうと 想像してみた  

レイちゃんはひとりで 耐えていたに違いない  

 

何がきっかけだったとかは思い出せないのだけど 

私は レイちゃんの友達のつもりでいた  

 

話すのはコチラから 一方通行が多かったし 

彼女からは笑顔もないし 言葉も無い 

何かを語り合ったという記憶は 一度も無い 

 

それでも 

私だけでもレイちゃんの友達でいようと 勝手に決めていた 

 

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小学校卒業間近のある日 

レイちゃんから「これ あげる」と 長細い箱を手渡された 

 

開けると キラキラした銀色のおもちゃのネックレスが入っていて 

それは彼女の宝物ではないかと感じた 

 

「こんな大事な物 いいの?」 

 

「うん 私の宝物だけど あげる」 

 

「ありがとう 大切にする」 

 

 「友達でいてくれて ありがとう」

 彼女の目から涙が流れていた 

 

 

「中学行っても ずっと友達でいようね」 と言うと

    

レイちゃんは急に 声を上げて泣き出した

 

どんなにいじめられても泣かなかった彼女の 

初めて見せた泣き顔に とてもビックリしたのを覚えている  

 

あの日の彼女の涙の意味は 後から知った 

 

卒業式を待たずに 

レイちゃんは 突然 何処かへ引っ越してしまった 

 

 

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今 レイちゃんは 何処でどうしているだろう 

 

2年間も同じクラスだったのに 

彼女の笑顔が 思い出せない 

 

いつもうつむいて 右手を左腕に添えていたレイちゃん 

 

彼女の人生に 

逆転ラッキーな幸運が舞い降りていたらいいな~と空想する 

 

今は笑顔でいっぱいのレイちゃんだったら いいなぁ 

 

 

読んでくださってありがとうございました 

感謝☆ 

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